さて前回のまさ邸に引き続き、Innocent Key邸に本日お邪魔させていただきました。
ここに辿り着く方にInnocent Keyさんの紹介は不必要かと思いますが、一応念のため。
Innocent Key(yohine)さんは、東方アレンジの作曲者として活躍され、現在オーディオブランドである「逢瀬」の主催でもあります。
・機材構成
スピーカー:自作 + Duntech - SC-IV/A(ウーファーのみ使用)
パワーアンプ:逢瀬 - WATERFALL500(+Purifi版)
プリアンプ / DAC / チャンネルディバイダー:逢瀬 - AK4499特注DAC
ウーファーのみに使用しているDuntechも、ウーファーユニットの交換など手を入れられている改造品です。
・ルームアコースティック
yohineさんの御宅はルームアコースティックにも力を入れており
・低域:PSI Audio - AVAA(コーナー)
・中低域:2×GCボード100mm(コーナー/正面)
・高域:Vicoustics - Multifuser DC2 (サイド / フロア)
・全帯域:Vicoustics - Flexiwave Ultra(シーリング)
と対策もかなりされています。
残響時間(RT60) at リスニングポジション
全帯域に渡ってのカーブも緩やかで、部屋の容積を加味すると良好な吸音率・バランスです。
・インパルスレスポンス
ニアフィールドであることと、しっかり吸音・拡散処理されているので、特に強い強度の反射(このグラフ上で言うスパイク)はありません。
・音質
音質は至極真っ当な、キャラクターは薄いものの端正な音で、本当に優等生系です。
レンジ感も確実に体を揺さぶる20Hz台から再生されており、そしてそのレンジ感を保ちつつも”驚異的な定位の良さ”を感じます。
これはやはり定位表現で有利となる条件は
・バッフルの面積を極力最小にし
・Acoustic offset補正を行っている
ということなのでしょう。
そしてウーファーは完全分離で4筐体にし、人間が指向性を感じる帯域を分割。
合理的な構成ですね。
「オーディオメーカーという立場上、色は付けていない」という仰られてたので、上述した”薄味感”は狙って作られているらしいです。
性能上がるとキャラクターも濃くなる印象があったので、この様な音に仕上げたのには、相当な技量を感じます。
また下記の写真は各スピーカーのニアフィールド測定です↓
低域はIIRで、高域はFIRで構築されており、特にミッド/ツイーター間は相当急峻なネットワーク(電気的には96dB/oct.)なのですが、それぞれのキャラクターが出るわけでもなく、一体感がある音でした。
こちらが部屋を含めた総合特性↓
20~20,000Hzまでかなりフラットです。
この特性だということは意外と驚きでした。
というのも20Hzはかなりゲインと高くしないと感じられないはずなのですが、フラットなこの特性でもしっかりとそれを感じられたのです。
個人的な考えとしては、やはり歪率だと思います。
これはリスニングポジションの特性なのですが、驚くことに100Hz以下は3次歪が一番大きくなっております。
(それでもかなりフロアノイズより若干高いくらいですが・・・・・)
なのでこの歪が「低域の存在感」に寄与しているのかもしれません。
にしても低い事には変わらないので、やはり低域というものは奥ゆかしいものです。
・ちなみに
機材評価用のサブシステムも聞かせていただきました。
こちらはEstelon XBを使用されており、メインシステムとは異なり、ハイエンドの威厳さを感じさせる音でした。
P.S.
夕食を作っていただきました。
大変美味でした。
開発が立て込んでいる中、貴重な時間を割いていただき、また経験値を積ませていただき本当にありがとうございました。
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