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Take邸訪問記


さて今回はクラシックオーディオの比類なき最高峰、Take邸にお伺いさせていただいたので、僭越ながらレビューをさせていただきたいと思います。


Takeさんは自作系オーディオマニアの一人であり、またクラシックの愛好家でもあります。私のメインスピーカーも実はTakeさんから譲っていただいたものです。


それでは行きましょう



1.システム構成

スピーカーは自作4wayで下の帯域から(内は駆動するアンプ)


・Low:Audio Technology - 15F102(Amcron K2)



・Mid Low:FPS - FPS2030(デジタルドメイン - B-1a改)

・Mid High:Accuton - BD50(Accuphase - A-30)

・High:Accuton - BD30(Accuphase - A-20V)

という非常に高価なユニット群で構成されるシステムで、それを統括するチャンネルデバイダーはdbx - DriveRack4800となっています。

私がAmcronやdbxを使用しているのは、間違いなくTakeさんの影響です。


上流まで紹介となると非常に複雑になるため(特に自作系のノイズフィルターがこれでもかというほど入っているので)、割愛させていただきます。







2.諸特性

2.1 周波数特性(Acoustic-Axis , 0,7m)

概ね±5dB以内に収まっています。

特に部屋の影響を受け辛い500Hz~は本当に綺麗です。




2.2 周波数対歪特性(Acoustic-Axis , 0,7m , 95dB)

800Hz以降が2次歪みでも-60dBと異常なまでに低いです。

というのも800Hz〜がAccuton Diamondが請け負っている帯域なのです。


95dBでの測定とのことで非常に高いSPLですが、ここまで上げないとフロアノイズに埋もれてしまうそうです。


参考までにですが、私の家のメインシステムも大体95dBで計測しています。

これでもダイヤフラムは低歪ver.だったりするのですが、やはりDiamondと比較すると及ばないです。




2.3 Wavelet(Acoustic-Axis , 0,7m)

Mid High ~ Highは24dB/oct.で切っているので(他は12dB/oct.)、そこの部分だけはやはり位相回転によるWaveletの乱れがありますが、こちらの方が周波数特性が平滑な様です。


恐らくクロスオーバー付近の周波数でのユニット間位相差が大きいのでしょう。

Acoustic-Offsetか周波数特性か、1から作れない段階でこの2つのファクターの優先度合いを決めるのは完全にオーナーの趣向だと思います。

(因みに私はAcoustic-Offsetを優先させてます)







3.オーディオルーム

Takeさんのお宅は部屋も非常に来られており、14畳の石井式となっております。


石井式は全面に全反射(ベニア部分)/全吸音(紗幕部分)を交互に配置し、オーナーの趣向によって、その各々のプロポーションを変化させ、デザインします。


石井式は基本的にEryingの残響式に則ったコンセプトなので、初期/後期反射を加味する近代的なデザインではありませんが、それでもC/Pや実際にTakeさんの音を聞くと、やはりそのクオリティの高さを痛感します。


床面積はTaxsis Worldの約半分なのにも関わらず、天井高はTaxsis Worldより1mも高い(なんと4m!!)ので、寧ろ広くさえ感じます。







4.聴感レビュー

さてそんなTake邸の音ですが、もう多くは話しません。

というより、言葉なんて陳腐なもので表現できないというのが正しいです。


いくら素晴らしい景色を見たり、奇跡的な体験をしたところで、それを相手の価値観に落とし込み、表現することは不可能です。


ここはまさにそういう音です。



というわけには行かないので、音について、敢えて書くとすれば


・極めてシームレスで、そして壁を突き抜ける音場

・クラシックに造詣の浅い私でもコンサートマスターのヴァイオリンが分かる分解能力

・ワイドレンジながら、それを感じさせない二律背反した要素

・小編成から大編成までスケール感が自由自在

・音が放出されて、部屋に蔓延し、空気の粒子に完全に溶け込む比類なき浸透力


といった所でしょう。


基礎性能を詰めた上で、自分の好みを明確にし、そして定量的/定性的な要素をフィードバックできる能力を有した物だけが見える極地がここにはありました。



最初聞いた時には、圧倒的なクオリティを前にもう笑いしか起きず、今私の音や知見を構築している根底にはTakeさんの影響がかなりあります。



あまり極端で強い表現は避けたいのですが、まさに「一種の究極系」です。








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