今年初めてセミを捕まえました、夏本番ですね。
1.低域の定義
さて話は変わりますが、皆さん”低域”といえばどの程度の周波数を思い浮かべますでしょうか?
YAMAHA様のホームページから引用すると
>一般的に20Hz~600Hzの低い帯域を「低音域」と呼びます。楽器で言えば、ベースやバスドラムなどが受け持つパートです。その中でも20Hz~100Hz付近の低い帯域を「重低音」と呼びます。
という事らしいです。
2.低域の追求
私のメインシステムは低域再生能力に非常にフォーカスを絞ったものとなっています。
(というより既存で満足できる製品がなかった)
システム構成は、一番上の画像のホーンスピーカー2wayに、その奥に隠されたサブウーファーを加えた3wayシステムとなっています。
サブウーファーの画像がないので、製作時の画像を
上に乗っているのが500mlのペットボトルなので、その大きさは分かるかと思います。
・使用ユニット:B&C Speaker - 2 × 18NW100/ch
・ポートチューニング周波数:15Hz
・エンクロージャー容量:600L
・ポート開口面積:502cm^2 (振動板総面積の20%)
・重量:150kg/台
このウーファーは2つのユニットが対向配置となっており、お互いの振動をキャンセレーションする構造となっています。
ユニットに関しては、非常に強力なB&C社のユニットを使用しています。Martin Audioやd&bなどにもOEMで納入されています。
3.実測
低域再生は主に
1.スピーカーシステム
2.リスニングポジション
3.部屋の大きさ
4.吸音率
の上記4つの要素から決定されます。
結局低域は上記の変数が存在するため、どの程度の低域再生能力かは実際に測定してみないと分からないです。
ですので、20Hzと15HzのSine-sweepを出力し、集音してみました。
集音条件は
・位置:リスニングポジション
・マイク:Dayton Audio EMM-6
・使用ソフト:WaveSpectra
そして下の画像は各々15Hzと20Hzの集音データを可視化したものです。
上:実際にマイク集音された波形(出力波形ではありません)
下:周波数特性です(高調波歪を観測するため)
20Hz(再現率99.55%)
15Hz(再現率96.61%)
さすがに10Hzとなってしまうと、急激に再現率が低下してしまいました。
そしてシステムそのものの周波数特性が下記のようになります。
かなり30Hz以下が盛り上がっていますね。
恐らく、部屋の長辺の(1,0,0)モードの影響もかなりあるかと思います。
4.低域って何だろう。
さて自慢はこの程度にしておいて本題を。
従来私が追求してきた低域は
・如何に低歪みで (20HzでTHD10%以下)
・如何に低周波まで (-3dBで最低20Hz)
・そして如何に聴感上のレスポンスが良く
・究極のパワーを (理論値130dB以上)
です。
そして大体達成できたと思います。
”思います”というのは、この規模での比較対象がそもそも存在しないので、あくまで主観的評価のみに依存してしまうからです。
ただここまで追求した結果
・吐き気を伴うような倦怠感
・オフ会で既に一人ダウンしている(2人中)
・もう一人も強い離脱感(白昼夢をみている感覚)
と、もはや健康被害でしかないです。
そして一番厄介なのが
「如何せん歪みが低い為、試聴段階では体の不調に気付かないのです。遅効性なのです」
そこから「低域って何だろう?」と思ってましたが、結局ある程度の周波数以下の場合には、再現率が低いほうが俗にいう”低域らしさ”となって”聞こえる”為、良いのかもしれません。
5.最後に
まとめに移りますが、何事にもやはり節度が必須ですね。
私は今まで様々なサブウーファーを使用してきましたが、健康被害を生じない最小限の節度があるサブウーファーを紹介したいと思います。
Velodyne - DD18です。
これは吐き気を伴わずに低域の”鳴ってる感”を出しつつ、かなりのパワーは出せます。(私は常時50%程度のボリュームで満足していました)
そして数多くの人を招きましたが、健康被害はありませんでした。
(小さいのもポイント高いですね。)
音は兵器にもなります。「音響兵器」は既にLRADを代表に世界中で運用されています。
くれぐれも趣味/娯楽であるオーディオで、私の様に体調を壊してしまう様な事がない様に、この記事が参考になれば、この上なく嬉しいです。
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