私のブログ、何故かアクセス数がイマイチよくありません。
普通に既製品の”ポエムレビュー”の方が、ソースを論文から引っ張って来たり、方程式を導出する事もまず無く楽なはずなのに、なんか悔しいです。
やはり対抗するには、こちらも聴感レビューで攻めましょう。
題して「Scan speak vs SB Acoustics vs BlieSMa!!」
ベリリウム振動板を搭載した3機種/3メーカーの比較試聴を書きます。
比較試聴はPV稼ぎのテッパンですからね!
使用ユニットはこちら↓
左から
・BlieSMa - T25B-6 (Germany)
・SB Acoustics - Satori TW29BN-B (Denmark)
・Scan speak - D3004/664000(Denmark)
と全てベリリウムを振動板に用いたツイーターです。
BlieSMaは新興メーカーですが、SB AcousticsとScan speakはもうお馴染みのメーカーだと思います。
それではいきましょ!
目次
1.ユニット紹介
2.諸特性
3.各ツイーターをV3に搭載した時の諸特性
4.いざ試聴!
5.まとめ
1.ユニット紹介
1.1BlieSMa - T25B-6 (63,000円)
フランジが小さくて可愛らしい、新興メーカーBlieSMa唯一のベリリウムツイーター。
HiFiCompassにて非常に(特に歪率において)優秀なデータを出していたので、今回物は試しに購入してみました。
(因みに定価は63,000円ですが、Black Monday Saleのタイミングで購入したので、実際はかなり安価に購入しました)
1.2SB Acoustics - Satori TW29BN-B(84,000円)
メーカーURL:https://sbacoustics.com/product/satori-tw29bn-b/
Ocean wayでも使用されているSB Acoustics。
そのベリリウムツイーター、TW29BN-Bの中の4Ωver.です。
FM Acousticsのロゴを彷彿とさせる保護グリルはかっこいいですが、猛毒であるベリリウムのプロテクターとしては少し怖いです(笑)
1.3Scan Speak - D3004/664000(128,500円)
メーカーURL:https://www.scan-speak.dk/product/d3004-664000/
さてベリリウムツイーターといえばこの機種を思い浮かべる方も多い気がします。
フランジがRevelatorの大体の機種と同じなので、このモデルでなくとも既視ss感があるとは思います。
2.諸特性
諸特性については素人が色々やるより、HiFiCompass様のサイトをみていただければと思います。(バッフルを作るのが面倒くさい)
・BliSMa - T25B-6
https://hificompass.com/en/speakers/measurements/bliesma/bliesma-t25b-6
・SB Acoustics - TW26BN-B
https://hificompass.com/en/speakers/measurements/satori/satori-tw29bn
・Scan Speak - D3004/664000
https://hificompass.com/en/speakers/measurements/scan-speak/scanspeak-d3004/664000
ただ私の個体が正常に動作しているのかのチェックを行いたいので、インピーダンスは測っておきます。
・緑:BlieSMa
・黄土:SB Acoustics
・青:Scan speak
メーカーの公表データと実測での乖離は3機種ともそこまで見受けられませんでした。
無事にアセンブリ出来てるみたいです。(良かった)
元々MAGICOのV3のツイーターのBe化としてこれらを揃えたのですが、クロスが2kHzの12dB/oct.という事考えると、代替品になるのはScan speak一択な気がしなくも無いですね。
3.各ツイーターをV3に搭載した時の諸特性
聴感レビューを行う前に、各ツイーターを搭載した際の特性を載せます。
各々の画像は上から
・ミッド/ツイーターのニアフィールド特性
・ミッド+ツイーターの総合特性 at Acoustic-Axis , 0.4m
・Wavelet at Acoustic-Axis , 0.4m
となっています。
Xoverは1.8kHz ,12dB/oct.とし、Acoustic-offsetは300 to 20,000Hzで±0.5msec.の範疇で揃えています。
正直この比較であれば、少し高い周波数でXoverを構築したかったのですが、V3のミッドレンジの特性がこんなんなので↓、やむなくこのXoverに設定しました。
3.1 V3 with BlieSMa
3.2 V3 with SB Acoustics
3.3 V3 with Scan Speak
4.いざ試聴!
4.1 BlieSMa vs Scan speak
まだBlieSMaを鳴らして1日なのでちょっとかわいそうな比較ではありますが(とは言ってもインピーダンスカーブを見る限り、バーンインは完了してますが)、BlieSMaはScan speakと比較すると「艶といった品位や音の芯は無い物の、脚色なくストイックに鳴る」というのが最初に感じた印象です。
ただ私が現在高域にあてがっているアンプが、スタジオユースのものなので、例えばブルメスターの様な品位ある音のアンプと繋げると、そのポテンシャルはかなり出て来る様な気がします。
ですので、現に今私の家のBlieSMaはかなりベリリウムらしからぬアグレッシブサウンドでなっています。
聴感上の高域の再生限界や空間表現などは、若干BlieSMaに麩がありそうです。
P.S.
フランジ変換アダプターは、だしさん( Twitter ID:@canny_papple )に(また画像にはありませんが)CNC切削による変換アダプターはyiuさん( Twitter ID:@yiutoto )さんに
製造していただきました。
その節はありがとうございました。
4.2 SB Acoustics vs BliSMa
(写真撮る時、ビス留め忘れてる....)
まず一聴して「芯の太さが段違いでSB Acousticsの方があり、かつ非常に飾ることがなく、このメンツの中では一番おとなしい」です。
高域の伸びや情報量はBlieSMaには及ばないです。また1kHz付近に聴感上の独特の癖があります。(ここはEQでいくらでも叩けるので、大した問題ではありませんが。)
他にBlieSMaと比較して、V3のミッドレンジとの繋がりが良く、非常に一体感のある濃厚な音です。故にリファレンスソースの代表である、Sergio mendes - Capivaraのグルーヴ感はかなりのもの。
情報量とグルーヴ感は反発し合う要素群ですが、BlieSMa vs SB Acousticsは正に情報量 vs グルーヴ感の極めて高いコントラストと言った感じです。
ただどちらも基本性能はかなり高いので、「楽曲による」と言うより、「完全に好み」によるものです。
個人的にこのコンビネーションによる、ヴォーカル表現は心打たれる物がありました。
4.3 Scan speak vs SB Acoustics
「質感/音数/気品、どれを全てとってもScan Speakの圧勝でした」
聴感上のグルーブ感やS/NはSB Acousticsの方が若干優っていますが、かと言ってその要素がScan speakでネガティブになるレベルかと言われれば、そんなこと一切ないです。
Sonus faberやAcustik Labの様な、ある意味上流を選ばず、高い基礎性能と質感で鳴ってくれる良いツイーターです。
ただどれも95点なので安心感がある一方、「これだ!!」と言った感想もないです。
これはD2905も同様の印象を持つので、Scanの意図する音なのでしょう。
もっともV3のクロスが2kHz(-12dB/oct.)なので、インピーダンスカーブと周波数特性からも分かる様に、Scanにかなり有利な条件ではあります。
5.まとめ
今回は同じベリリウム振動板という素材のツイーターを通して、メーカーの特色を見てきました。
その中でScan speakはD3004/664000を初め、同社のD2905や18W/21Wウーファー群などは比較的様々な場所で鳴らしても、そこまで劇的な変化はしません。
(あと最たる例がAudio TechnologyやDynaudio)
Scan speakを採用しているメーカーは、ある程度色んな環境でも、それなりに狙った質感が出せる故、ハイエンドスピーカーブランドにおけるシェア率が高いと思うと、非常に納得できます。
やはりこういうのは特性ではわからない要素が多いので、検証して見ないとわからないですね!
Comments