はい、ここまでブログ毎日更新できるとは正直思ってもいませんでした。
最近オーディオ系というよりかは、音響系のブログになってしまったので、原点回帰をしたいと思います。
目次
1.Cremonaについて
2.測定
3.聴感レビュー
4.まとめ
1.Cremonaについて
"北イタリア、ロンバルディア地方の中央に位置するクレモナは、その昔ガルネリ、アマーティをはじめ数多くの楽器職人を輩出した街。フロアスタンディング型3ウエイ4スピーカー・システムCremonaは、ソナス・ファベールがこの“音の都”に捧げた新しいプロジェクトです。
キャビネットは、"Homage"シリーズでその真価が認められた“リュート型”とすることで、共振や内部定在波を効率的に制御しています。ドライバー・ユニットもこのモデルのために設計され、その位相特性を最適化すべくクロスオーバー・ネットワークも新基準となりうる完成度にまで高めました。"
らしいです。
詳細はNOAH様のページから
このスピーカーへの思い入れを書くと、一万字は軽く超えそうなので簡易的に書くと”人生で最も影響を受けたスピーカー”です。
このスピーカーが無ければ、今私はAmati Homageを手に入れることは無かったですし、家を建てる事も何も出来ませんでした。
先にAmati Homageを手に入れてしまったので、今となっては憧れは無くなってしまいましたが、それでもやはり手元にあると嬉しいです。
2.測定
2.1ニアフィールド測定
・黄土:ポート
・水色:ウーファー
・青:ミッド
・緑:ツイーター
これだけではなんとも言えないですね。
Stereophileさんからのデータがこちら
ポートを除いて概ねStereophileのデータに似ています。
(ポートは何故かゲイン・周波数共に乖離していますね......)
2.2 軸外測定
・水色:軸上
・緑:30°
・紫:60°
・茶:90°
軸外特性は10kHzにからだとかなり急峻に落ちますね。
これはリングラジエーターの指向性の狭さ故な気がします。(知らんけど)
2.3 Wavelet(ミッド軸上50cm)
400Hz~は0.5msec.以内に収まってます、優秀です。
2.3.1 スラントの効果
Cremonaはスパイクで僅かにスラントさせています。
スラントさせたWaveletがこちら
250~400Hzで僅かに補正されましたが、そこまで効果はないですね。
2.3.2 CremonaのAcoustic-Axisはどこか?
このCremonaのWaveletを測定するにあたって、Acoustic-Axisはミッドレンジ軸上っぽいです。
その証明にミッド・ツイーター間、ツイーター軸上のWaveletを載せます。(各50cm)
・ミッド・ハイ間
・ツイーター軸上
一目瞭然です。
周波数特性もミッド軸上のでないとフラットになりません。(音圧分布を見れば明らかです。)
正直ミッド・ハイ間で補正していると思ったので意外でした。
まあ簡単に言えば、ミッドレンジの軸上がリスニングポイントってことです。
Acoustic-offsetがしっかり補正されていると、空間の出方や各々の音のフォーカスが本当に良く見えます。
それも記事にしてますので是非↓
3.聴感レビュー
Cremonaの音は
・程よく明るく
・全体的に豊満な音で
・朗々と鳴る
巷で言われる”ソナスの音”だと思います。
私自身フランコセルブリンが関わったHomage Series含む、ほぼ全ての機種を個人宅で聞きました。
特にHomageシリーズの個性は強く、私が所持しているAmati Homageですが全ての音をAmati色に染めようと言わんばかりの個性の主張をしてきます。
加えて一種独特な緊張感・空気感を感じます。
そういう意味でCremonaはフォーカスも定まりすぎず・レンジも広すぎない、非常に中庸な音で、良い意味で"カジュアルに聴ける"スピーカーだと思います。
4.まとめ
Sonus faberは良く「楽器の様なスピーカー」「聴感で合わせた〜」などと言われますが、少なくとも聴感でこんな特性は叩き出せません。
確かな技術の上に、恐らくキャパシタ・インダクタや内部配線の種類の選定といった、最終段階で聴感で合わせてるのでしょう。
Cremonaはこの容姿、そして特性・出音で100万円だったのは本当に安いと思います。
今100万円台でこの要素を全て、Cremonaの次元で満たしているスピーカーは(最近のインフレの事もあり)ないと思います。
もし出会いの機会があったら、迎えてみてください。
本当に優秀なスピーカーなので。
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