こんにちは。
突然ですがオーディオにおける、各コンポーネントがどの程度音に寄与するのか、その割合を考えたことは誰しもあるかと思います。
このブログをご覧になられている方々はお気づきかと思いますが、私の場合は下流、つまり部屋とスピーカーにつれるほど、その割合は大きなものかと思ってました。
また同時に、アクセサリーは一番低いとも思っていました。
ただ何も知らないのに結論づけるのはあまりに無責任かつ短略的すぎるので、実際に買ってみました。
購入したケーブルは「STAGEⅢ - PowerLine HD」。
STAGEⅢはアメリカを拠点としたハイエンドケーブルメーカー。
・導体には銀パラジウムという高価な材質を採用したり
・ケーブル内を減圧したり
・挙げ句の果てには極太ケーブル3本を一本にまとめてみたり
・ロゴが中二病だったり
ちょっと異質なメーカーです。
メーカーURL↓
PowerLine HDは、そんな最近頭がおかしくなってきたメーカーの、頭がおかしくない頃のモデル。
購入価格もは10万円ほどなので、昨今のハイエンドケーブル界隈からすれば消費税以下ですが、初めてなので買う高価なケーブルなのでご了承を。
これを私はパワーアンプ群に繋いでるCHIKUMAのタップ〜壁コンセント間のケーブルに使用しました。
視聴に使用した曲は、お馴染みHans Zimmer - Run Free。
この曲が求めるのは、以前のブログでも書きましたが「艶以外全て」。
特に
・躍動感
・D/Fレンジ
・スケール感
・低域の歯切れ感
・音数の情報量(とそれを捌く能力)
は本当に要求され、並みのシステムでは途中の盛り上がりの最中で破綻します。
というより、私は他所で満足にこの曲を聞けた試しが数例でしかないです。
さてPowerLine HDを入れた後、その変化を体感するまでに時間は全く必要ありませんでした。
中でも上記の要素群の中の
・Fレンジ
・低域の歯切れ感
・音数の情報量(とそれを捌く能力)
この3要素が桁違いになったように思います。
具体的に見ていくと
・Fレンジについて
これは正直驚きました。
Run Freeは開始6sec.に可聴下限帯域ギリギリの音が入っています。
元々20Hz付近は持ち上がってるくらいなので以前から聞こえてはいたのですが、その圧力が段違いです。
以前の低域の圧力が「そよ風」とするなら、PowerLine導入後は「津波」と言ったところでしょうか。
ただ後述するように、歯切れも良くなったので、聴いていて疲れません。
・低域の歯切れ感
私の経験上、可聴下限くらいの音の圧を大きくすると、歯切れが悪くなる傾向があるように思います。
しかしながら、実際は真逆で非常にレスポンスが良くなってました。
Run Freeでは終盤の5;30~で低域に「ドドドド・・・・・」と言った断続的な低域が入っています。ここで以前は若干ダマになっていた部分が、ほぼ完全に解消しました。
これは低域を吸音をした際に歯切れが良くなる、あの感覚に非常に似ています。
・音数の情報量(とそれを捌く能力)
そしてこのPowerLine最大の魅力がここにある気がします。
情報量が増えると良く「聞こえないディテールが聞こえるようになった」と言ったような、体感上のDレンジ拡大が一般的な認識だと思います。
確かにその要素も多大にあると言えばあるのですが、一番はその出した情報を捌き、纏める「フォーカスコントロールの巧さ」です。
音楽は楽器の音が一体となって形成されるものですが、細かく見ると各々のシーケンスで「特定の楽器にフォーカスを絞り、チャームポイントに」
「全体にフォーカスを当て、雄大に」
と言ったように、1曲の中でも表現を変えて欲しい時は多々あります。
Run Freeで例えると
・2:18 鈍重な雰囲気から一転し、ストリングスが華やかに先陣を切る
ここではある程度フォーカスをストリングスに絞りたく、他の楽器はあくまでストリングスの引き立て役
・3:24~ フィナーレにかけて、ホルンが盛り上げにかかります。
ここは2:18のストリングス同様、ホルンにフォーカスを絞る
・3:39 フィナーレにかけてのラストスパート。ストリングスとホルンが対等に。
このシーケンスでは、フォーカスを絞らずに全ての楽器にフォーカスを当て、広大なスケール感。
このように飽くまで個人的な解釈ではありますが、フォーカスコントロールして欲しいところを、そのまま思ったように表現してくれます。
何気ここが一番今まで詰んでいた箇所なので、良かったです。
とここまではPowerLine HDのレビューです。
そしてPowerLine HDと今までの経験を通して分かった事は大きく3つ
・各コンポーネントが音に寄与する割合はシステムの完成度が上がれば上がるほど、1:1:1~に近づいてく点。
・また一つの要素がボトルネック(日本であれば主に部屋)でも、一つの要素(ケーブルなど)である程度リカバリー出来る点。
・理屈は分からないけど変化があるものは、分からないと認識した上で、その恩恵を享受するのが、個人的なアクセサリーとの良好な付き合い方。
といったところです。
大変いい勉強になりました。
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