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イオンシネマ海老名 Sc.7(THX)


最近びっくりするほどブログに対する熱が冷めてしまったので、良い加減リハビリも兼ねて記事を更新します。


今回は映画館ネタ、もう散々語り継がれてるイオンシネマ Sc.7です。

なので特に書く必要がないとは思ったのですが、ここの劇場の音は少しアブノーマルなので一応記録として書こうかと思います。


それと絵に関しては(個人的には)良くも悪くも印象がなかったので、今回は割愛します



目次

1.伝説の映画館 ワーナーマイカル海老名7番

2.「海老名」THXとは?

3.まとめ







1.伝説の映画館 ワーナーマイカル海老名7番

ご存知の方も多いかとは思いますが、昨今の映画館におけるシネマコンプレックスを輸入し、その礎を築いた映画館こそ「ワーナーマイカル海老名」です。

2013年にワーナーマイカルシネマがイオンシネマに吸収された事により、「イオンシネマ海老名」に名称が変更となりました。

(1993年に開業ということで、まだ私は生まれてないです。)


7スクリーンと現在ではスタンダードな劇場ですが、その7番は完全に他の6館とは独立してあり、その意気込みを感じます。(その理由は下記に書いてます)

ショッピングモールに併設しているのですが、外見もシアターもショッピングモールのどれ一つ取ってもかなり古臭いです。


因みに私はミーハーなので「フォースの覚醒」で初めてこのサイトを訪れましたが、その外見の古さと評判の良さがあまりに乖離していたので、近くのTOHO CINEMAS海老名と勘違いしたのは良い記憶です。



ただこれは後から分かったのですが、この劇場は全てが規格外。

これをご覧ください↓






















これはイオンシネマ海老名のSc.7にてサブウーファーの交換を行った際に取られた貴重な写真。


このスピーカーは実際は売られてません。

(2つウーファーver.の4675Cはあります)

これはアカデミー賞を上映するために作られた「Samuel Goldwyn Theater」のスクリーン裏です。

(Cchだけウーファーの位置が変わってるのは、指向性の関係でしょうか?)



交換前のサブウーファーも同一(JBL 4688)モデルなので、かなり意識して作られたんだと思います。



これは完全に余談なのですが、ウーファーユニットがデフォルトの2440Hから2445Hになってました。


46cmドライバーの中では最弱で、この4688自体も私のメインスピーカーの最大SPLより遥かに小さい出力しかないのに、600席弱の大空間を振動させてたのは驚きを隠せませんでした。



話が逸れましたがこのように

・特注のメインスピーカー

・バッフル固定の造り

とかなり見えない所で凝っています。


伝説と言われた所以が徐々に分かってきたような気がします。







2.「海老名」THXとは?

THXは既にご存知の方も多いですが、端的に説明すると従来のフォーマットは音声データとスピーカーのレイアウトのみに止まってましたがTHXは

・室内の騒音レベルを〜NC-30

・基準音圧の設定

・残響時間における基準

があります。


詳しくはイオンシネマ様のホームページに明記してあるので、そちらをご覧ください。

これはTHXである以上の「最低条件」となるので、THXを冠した劇場であれば、どこでも基準は満たしてます。


正直

・ちゃんと防音、そして配管のダクトの管理が出来ていれば(とは言っても相当難易度は高いですが)NC値はどうにかなります


・そして吸音層を確保できる空間があれば、RT60も達成は困難ではないです。

後で書きますが、RT60の規格上、吸音材の位置はどこに置いても、吸音面積と平均吸音率が一緒であればRT60は同一の値になります。

(最もこの吸音層の確保が難しい課題ではありますが.....)



一方で海老名THXが凄いのは「程よい残響感を出しつつも音の収束が遅くない」という点です。


一般的なTHX館(私が想起するのはTOHO CINEMAS 市川コルトンプラザやチッタ8番)だとかなりデッドで、耳閉感(耳詰まりのような感覚)を覚えるのですが、海老名THXはそれを一切感じません。


なので単純な吸音ではなく、拡散もある程度考えられたサウンドデザインなのでしょう。


これに関しては個人的に

・サラウンドが普及によりデッドな環境が重視され、そのパラダイムシフトの最中でたまたま誕生したオーパーツ説

・意図してこのルームアコースティックを施してる説

の2つの仮説を持っています。


ですが、あそこまで残響感を出しつつも、映画の各シーケンスでのセリフ音の違いは分かる明瞭さもあるので、恐らく後者な気がします。


これを検証するためには同時期に開業したワーナマイカルシネマ 東岸和田や立川シネマシティ G Studioを行く必要がありますが、前者は閉館。後者はTHX認定取り消し&機材更新となっている為、比較し辛いのが現状です。






3.まとめ

知れば知るほど謎多き7番スクリーン。

恐らくアメリカのアコースティックエンジニアによる設計なので、その音をその音たらしめた理由はもはや誰にも分からない状態となってしまいました。


ただやはりここまで機材が古くとも、まだまだ現在でも十分に最新館と張れていると思うと、やはり部屋の重要性がいかに大きいものなのかが分かります。

この劇場のインパルスレスポンスを見てみたいものです。


素晴らしい劇場だと思いますし、特に冒頭のTHXトレーラー「Amazing Life」は最初に音に全く興味のない友人も衝撃的すぎて笑ってしまうほどでした。(私も腰抜けました)


部屋の重要性が如何程なのかを再確認できる、一見の価値は絶対にある劇場だと思います。









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