さて、珍しくブログに対する熱がまだ冷めません。
ここまでハイペースなのは、正直後のモチベーション低下を招きかねないので、ちょっと怖いです(笑)
以前のiLoud MTM、そして前回のMeyer Sound - HD-1でWavelet解析のデータを見せました。両者とも優れた特性でした。
ただこの2者の様な例はどちらかといえば、マイノリティーです。
特にホーンスピーカーなんてちゃんとタイムアライメントが整合されている製品なんて、本当に僅かです。
一人のホーン使いとして、謎ではありましたが原因は
・そもそも音が前に出てくれればそれで満足(ホーンのそのものが好き)
・タイムアライメントをそもそも知らない
・既知でも、実践していないだけ。
そしてどの程度僕自身も差があるのか、知らなかったので検証しようと思います。
今回の目次
1.測定&補正
2.聴感上の変化
3.まとめ
1.測定&補正
1.1測定位置について
まず高さはAcoustic - Axisがウーファーとホーンの間に来る様に、両者の中心で計測します。
Acoustic-Axisやら用語や概念はここに詳しく書いてあります
(参照URL : https://naseba.exblog.jp/m2017-05-01/)
そして、ここが悩ましい点なのですが、電気的ディレイでのタイムアライメント(以下Acoustic offset)は測定した場所でしか整合性がなく、実際にズレると整合性が取れなくなってしまいます。
以前レビューしたHD-1の”リスニングスポットが狭い”と言ったのは、この電気的ディレイにてAcoustic-offsetを整合させていたからです。
今回はAcoustic-Axis上1.5mで測りましたが、実際は実際に下の様な物理的なディレイをとった方が、上述した問題が生じなくて理想ではあるんですよね。
(クロス付近の指向性のギャップも緩和できますし)
1.2 ディレイをかける前後
今回はWaveletでAcoustic offsetを揃えました。
インパルスレスポンスから行うのが一般的な気がしなくもないです。
目標として、300Hz~で±0.5msec.以内。
・ディレイ前
クロスオーバー周波数が500Hzなので、綺麗にウーファーが3msec.(約1m)ほど遅れています。
というわけでホイ!
・ディレイ後
概ね0.5msec.の範疇ですが....
な〜んでクロス付近だけ、こんなにズレてしまうのか.......
原因はドライバー
使用しているドライバーは2450SLでf0が500Hz、当然クロスを500Hzなどにしては位相は回ってしまいます。(ただでさえコンプレッションドライバー自体が位相回転しやすいのに....)
1.3 再調整
さて、余裕を見てクロスオーバーを750Hzででデザインします。
まだダメですね。
そうそう、ネットワークを今電気的+機械的な遮断特性は48dB/oct.で行なっていますが、そこでも位相は急峻になればなるほど回転します。
という訳で24dB/oct.で再度検討しました。
まあこれで大体目標は達成しました。(カラースケール間違いました、ごめんなさい)
これ以上緩やかなスロープは、大音量派の私にとっては危険ですし、如何せんまたドライバーのfs帯域に十分な音圧を加えてしまいます。
本来であれば現在の3wayではなく、ミッドを加えた4wayにするべきなんですよね。
2.聴感上の変化
聴感上における変化では以下の三点です。
・非常に音像がシャープに
・音場が後ろに
・音数が増えた
という結果になりました。
長岡工業大学の論文にも、ホログラフィックの音像と音場の再生と称して、このスピーカーのAcoustic-offsetにも言及されています。
以下引用
私の実験においては非常に耳の良い1氏がwooferから聞こえる楽器 の位置に(奥行き)tweeterの位置を前隆て合わせてくれた。〔中略〕『余計な音がしないので非常に合わせやすくなった』との ことであった。 このようにして左右のスピ ーカ を別々に調整した後に、左右のスピ ーカーを内側に向け音像がくっ き りと明確になるようにする。正確には両スピーカ 中心軸状でしか合わないが、ピタリと 合うと気持ちが悪いくらい音場が再現される
聴感で合わせられるとは凄いですね。(嫌味でも何でもなく)
ただ今回Acoustic-offsetの補正後では、まさに同じ印象でした。
3.まとめ
なんかクロスオーバーの話になってしまいましたね(笑)
ただこういう話は1の項でも述べた通り、ホーンスピーカーのユーザーからは耳にしないので、面白いかなと思います。
こう見るとOcean Way - HR-2は、よく考えられてます。
さすがにメーカー製品はしっかりしてますね。
こういう実験してると、色々とメーカーの考えてることを類推できるので、楽しみが増えますね。
因みに私の理想形はZingaliと同一のスタイルになってしまいました(笑)
この話は後日にでも
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