訳あって久々のブログとなってしまいました。
結構アクセス数もあって、嬉さと申し訳なさが入り混じってます。
突然ですが、来られる方々はオーディオマニアなり映画館マニアだと思うのですが、マニアになるキッカケとなる出来事は覚えていますか?
私の場合は大いにして東京ディズニーリゾートの影響を強く受けて、オーディオにハマりました。あの大きなスケールに満たされる、躍動感のある音。
今の私のシステムを構築する基軸となる三要素「躍動感・スケール・ブライト」は全てこのディズニーの音がベースとなってます。
ハイエンドオーディオを買っても、オーディオハウスを建設しても、このスピーカーへの憧れは強くありました。
しかし、どう足掻いても一般人が買えるものじゃないので、ずっと憧れの存在なのだと思っていました。
故にこのスピーカーから介されるミッキーの「夢は必ず叶う」というセリフは、かなり皮肉なものだとも思ってました....一ヶ月前までは。
本当に人生何があるか分からないものです.......
と言う訳で今回は「メディテレーニアンハーバーからの贈りもの」と題して、実際にハーバーからやってきてくれたMeyer Sound - CQ-1 UW / PSW-2 UWのレビューをしたいと思います。
ではいつもの目次です
1.入手の経緯
2.CQ-1/PSW-2概要
3.測定
4.聴感レビュー
5.まとめ
1.入手の経緯
キッカケは本当に偶然で、僕のフォロワーさんが珍しいUW仕様(超防滴仕様)のCQ-1/PSW-2を発見してました。
・UW仕様であること
・PSW-2も同時に出品されていること
・落下防止のカラビナがサイドに設置されている事
この事からも、もうディズニーシーのハーバーで使用されてのは明白です。
そのままトントン拍子で、あまり争う事なく落札できました。
2.CQ-1/PSW-2概要
2.1 CQ-1 UW
サランネットを外すとこんな感じ。
構成としてはごく一般的な15"ウーファー+ホーンです。
具体的な説明をすると、まずユニットは事前に調べると
高域:MS-2001A(JBL 2450をMeyerがモデファイしたドライバー)
低域:MS-15(恐らくCiareのOEMユニット)
となっています。
真偽のほどを確認したかったので、分解してみました。
・ホーン+コンプレッションドライバー
・ダイヤフラム
・ウーファー
何一つ公称のユニットが付いてないですね(笑)
コンプレッションドライバーがJBLではなく、恐らくRadian製であろうMS-2001Cというモデルに、ウーファーが当時同社ラインアレイのフラッグシップ機であったM3Dに搭載されていた、ST-815になっていました。
またコンプレッションドライバーの破損防止のためか、キャパシタがありました。
アンプなどが故障した時に謝って直流が流れたりしたりした際の対策でしょう。
そういえばCQ-1の何が凄いのかと言われると、これ一台で完結出来るという点です。
どういう意味か?
通常であればローボックス+フルレンジの所、CQ-1は単体で38Hz~18kHzまで対応しているので非常にコンパクトに出来ます。(超重いけど.....)
実際に今のMeyer Soundはローボックス+フルレンジをセットとした考えであり、CQ-1の後継に当たるだろうUPQなんかは、下限再生周波数が53Hzと15Hzも高くなってます。
実際にディズニーでもアトモスフィアとかは、ローボックスを足さずに、CQだけで組んでいた事例もあります。
そういう意味でディズニーシーでPSW-2を付けたのは、宙に吊るす自由空間と見做せる設置で、低域がどうしても不足するからなんでしょうね。
話が変わりますが、吸音材のウレタンが劣化していないなど、中身の状態が非常にいいので、もしかしたら一旦オーバーホールを受けたのかもしれないですね。
その他詳細は下記URLをご覧ください
2.2 PSW-2 UW
こっちがハーバーのスピーカー上部に付いていた、サブウーファーです。
ユニットがCQ-1のウーファーユニットと同一なので、基本的な下限周波数・耐入力等は一緒です。
以前ディズニーシーのサウンドデザインについて書いた記事にもありますが、PSW-2の目的は周波数の拡張ではなく、単純な低音域におけるパワーの増大です。
PSW-2の説明はCQ-1の説明で大体済んじゃうので、詳細などは下記URLをご覧ください。
3.測定データ
測定データについては
・CQ-1のユニットのインピーダンス・ニアフィールド
・PSW-2のニアフィールド
を測定しました。
3.1 CQ-1
3.1.1ニアフィールド特性
赤がポート
紫がウーファー
緑がホーン
です
ポートの共振周波数が40Hz付近、ウーファーとホーンのクロスオーバーは1.1kHz付近となっています。公称クロスオーバーが700Hzとなっていますが、これは恐らく電気的なクロスオーバーの値なのでしょう。
3.1.2 インピーダンス特性
まあ想像通りというか、特にこれといって変わってるものはないですね.....
ただウーファーの共振周波数でのインピーダンスは18.2Ωとかなり低いので、前に聞いた「メイヤーのウーファーに磁性流体が入ってる噂」は本当かもしれないですね。
3.2 PSW-2
3.2.1 ニアフィールド特性
PSW-2は100Hz〜 -15dB/oct.で減衰しています。
またポートの共振周波数が35Hzとなっており、CQ-1より少し低くなっています。
先ほどのインピーダンスを見ると、内蔵ユニットのST-815の最低共振周波数が53Hzとなっており、PSW-2は多少内蔵アンプで低域をブーストしてるのかもしれないですね。
5.聴感レビュー
まず初めに今回は上述した「PSW-2はCQ-1の低域補強用のウーファー」に則り、クロスオーバーせず、同じフルレンジ信号を入力。
DSPについては聴感上の低域の遅れと、部屋によるピークディップをそれぞれディレイとEQにて叩く程度にしました。
リスニングポイントでの周波数特性がこちら↓
260Hzあたりのディップはコムフィルター、35~45Hz付近はモードの影響で乱れてます。
この辺は今後スピーカーとリスポジの位置で、今後どうにかしましょう。
音は大まかには、読者の皆さんの思う「ディズニーリゾート」の音の通り。
明るく、低域を深く・量を出しつつもクリアさを保つ、あの感じです。
少し違うのは、STAGEIII - KRAKENの影響か、単純に明るいというよりかは、明るくも地に足がついた攻撃的な音に仕上がっています。
つまり、オーディオアクセサリーにも過敏に反応し、実際にEQを叩いている時は1dBの差もかなり掴みやすい、まさにモニターに近い音作りです。
また基本的な基礎性能(定位・空間・音像移動)は相当高く、故に音源も選びません。
正直先入観がなければ、普通にハイエンドオーディオと張り合える音がしますし、海外ではCQ-1をHifi用で使用しているお宅もあるそうです。
(まあこのセットも定価はハイエンドな金額ですが........)
ここで雰囲気だけでもお裾分けできばと、動画を撮りました。
6.まとめ
これを手にする時、本当に久しぶりに童心に帰ったかのような高揚感を覚えていたのを記憶しています。そして音も憧れに応える、素敵な音でした。
1000km超に及ぶ運搬、及び特殊コネクターの変換等手伝いをしてくれた
Shin氏(Twitter ID:@shin_audio)
Yuuki_C.R.氏(Twitter ID:@Yuuki_3038)
本当にありがとうございました。
また一つ、素敵な夢を実現することが出来ました。
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