さて、今回が恐らく学生としてのステータスで書く最後の記事になると思います。
そして学生生活を締め括る記事として、このスピーカーのレビューを書ける事は非常に感慨深いものがあります。
目次
1.導入のきっかけ
2.修理
3.測定
4.聴感レビュー
1.導入のきっかけ
Duetta Ultimate(左) / DIVA(右)
元々大学1年生の頃にApogee社最小のモデル「Stage」を導入し、それ以降
・大学2年時にDuetta Signature
・大学3年時にDuetta Ultimate(Duettaのフルレストアモデル)
を導入し、まさに大学生活はApogeeと共にありました。
Apogeeの動作原理や問題点、Apogee遍歴については、過去に書いたDuetta Ultimateの記事に書いてます↓
やはりここまで来たからには「いつかはDIVA」という思いも当然ありました。
しかし、さすがはフラッグシップモデル
・個体数がそもそも非常に少ない
・状態が良い個体は、オーナーが手放さない
という事で、暫く時間がかかるかなと思っていました。
が、導入のチャンスは本当に突然やってきました。
2021年頭にDouble Woofers会長のNazo_otoko様からのお声掛けで、少し難ありのDIVAを譲っていただける事になりました。
なんと会長はDIVAを2ペアお持ちという事を最初伺った時は非常に驚きました。
さすがです。
2.修理
譲っていただけたDIVAですが、これはDIVA関係なく起こるApogeeの症状として
1.低域ダイヤフラムのBuzz(いわゆる振幅ノイズ)
2.高域ダイヤフラムのテンション低下
3.接触不良
が主にあります。
1.に関してはもうどうしうもないので、張り替える他ありません。
張り替えに関しては2年後をめどに予定しているので、その際にブログで書きます。
2及び3がこのDIVAの症状としてありました。
2.は経年劣化
3.はアルミ同士をビスの力のみで固定するデザイン上の問題
だと推測できます。
なので修理をしましたが、最初に言いますがここで紹介する修理方法については「完全自己責任お願いします」
上図はツイーターのターミナル部分。
ビスを外し、ダイヤフラムの固定板を外した所です。
手順としては簡単で
1.ビスを外し、図の状態にする。
↓
2.接点を外し、ダイヤフラムをフリーな状態にする
↓
3.ダイヤフラム適当なテンションをかけ、ダイヤフラムの端をテープで固定。
↓
4.ダイヤフラムをテープで固定したまま、極性板を接続、接点とする。
↓
5.固定板及びビスを付け、最初の状態に戻す
この5ステップで簡単に出来ます。
それでここからが応用編
・ダイヤフラムが何かしらの影響で接点部分に不具合が生じたとき
これにはまず、要らなくなったApogeeのダイヤフラムが必要になります。
私は大学2年の時に買った、ジャンクのDuetta Signatureのダイヤフラムを用いました。
1.接点付近のダイヤフラムを切断
↓
2.切断されたダイヤフラムと、Duetta Signatureのダイヤフラム片「両方の裏側」をカプトンテープで固定
↓
3.特殊はんだ(※2)で「両方の表側(銀色部分の3列各々を)」はんだ付けをする
このアルミはんだは、ちゃんとアルミに付きます。
画像はダイヤフラムとアルミの試料を、試し付けした時の様子です
これで長さを復元しつつ、接点を復活させます。
(※2)日本スペリア社 - アルミ用はんだ
3.測定
DIVA測定に関しては、極めてコンディションの良いNazo_otoko邸の固体のものを、訪問記に書いてあります。
4.聴感レビュー
まずApogee独特の澄んだ開放的な音であることは勿論の事、DuettaやSTAGEとは全く異なる部分が
・圧倒的な中域部分の量感/解像感といった充実感
・低域の厚みや伸び
を一聴して判りました。
そして何よりDIVAという名前が示しているように、ボーカルの表現はまさに凄まじいものがあります。
これに関しても、Nazo_otoko邸の訪問記に書かせていただいてますが、今回実際に導入してみて改めて体感しました。
一例を挙げるとゲームPERSONA5の中から「全ての人の魂の詩」
この曲はボーカルの抑揚や、消え際の儚さなどが要求されます。
DIVAはその様な要素を表現するのはお手の物で、さらにボーカルの音階がどの様に変化しても質感も定位も変わりません。
やはり同一のアルミニウム/カプトン蒸着振動板という構造と、位相特性が極めてフラット故のクロスオーバーの組みやすさと、繋がりの良さが要因としてある気がします。
動画越しでは1割も伝わらないとは思いますが、物は試しで動画をあげてみます。
最後に
希少なDIVAを譲ってくださったNazo_otoko様
重量級のDIVAの運搬/修理の際のリフトアップを一緒にしてくれた友人達
本当にありがとうございました。
波乱万丈な大学生活の素敵な締めになりました。
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