さて今日は"超"実写版Lion Kingを見ました、実際には実写版ではなく、"超"実写に似せたCGでリメイクしているんです。
作品のプロットはアニメ版を幼少の頃から見ているので新鮮味はないですが、映像は本当にリアルで恐怖さえ感じるほどでした。
最初にDolby Cinemaで鑑賞できてよかったです(Dolby Cinemaの映像で一二を争うほど綺麗でした。)
さて今日はちょっと変わったサブウーファーの紹介
目次
1.M&K Soundとは?
2.M&Kのサブウーファーの特徴
3.MPS-5410の詳細
4.実測
5.分解&解析
6.聴感レビュー
7.まとめ
1.M&K Soundとは?
今日見たLion Kingを代表に、Walt Disney Studio作品といえば、もちろんポストプロダクションはSkyWalker Sound。
最高傑作と感じたプライベート・ライアンも、そしてRemenber meも、Toy Storyもここのプロダクションです。
そしてSkywalker Soundと言ったら、全てTHX仕様のスタジオを抱えてることでも有名です。(まあ元はLucus filmなので、当然といえば当然ではありますが。)
そのSkywalker SoundともTHXとも深い関わりがあるのがM&K Sound。
主にマルチチャンネル用途のスピーカーを製作しています。
というよりまず納入先をご覧ください
• 20th Century Fox
• Dolby Laboratories
• DreamWorks SKG
• DTS
• HBO Productions
• Lucasfilm LTD
• Paramount Studios
• Skywalker Sound
• Sony Music & Pictures
• Universal Studios
• Walt Disney Studios
• Warner Brothers Studios
そうそうたるスタジオです。
(最近Meyer Soundが覇権を握ってる感が否めないのはさておき)
そして日本でTHXのライセンスを認定している、日本最高峰の音響コンサルタント会社であるSONA様のリファレンスルームにも、このM&Kが使用されています。
2.M&Kのサブウーファーの特徴
正面ユニットを外して、内部から底面ユニット見るとこんな感じ↓
さて、M&Kのウーファーには非常に外見的な特徴があるのは、ご覧いただければ判るかと思います。
動作としてはこんな動作です。
この底面のウーファーは正面のウーファーを逆相に接続されており(ウーファーも反転しているので正相になる)、機能としては2次歪の低減に貢献しているそうです。
他の例を挙げると下記のようなウーファー↓
TADのシネマスピーカーのウーファー部です。
このウーファーを真ん中を中心に、下部を奥に90度回転させると(折り曲げると)、M&Kのウーファーになります。
なぜ曲げたのかはサイズの問題な気がします。
3.MPS-5410の詳細
長くなりましたが、MPS-5410について
MPS-5410は市販はされておらず、日本代理店は先ほど紹介したSONA様。
その中で数少ないM&Kのフラッグシップモデルになります。
日本での納入先は
・Sony PCL 408スタジオ
・NHK テクノMAルーム
・Studio EGG - 501スタジオ
という感じで、実際に市場にも殆ど出回ってないです。
勿論THXの認証を受けています。(ヒートシンク左に認定マークがあります。)
スペックは下記の通り
ユニット:2 X 12"
連続出力:400 WATTS
最大出力(20msec.):550 WATTS
再生周波数(THX POSITION):20~200Hz +/- 2db
(無響室):18~125Hz +/- 2 db
クロスオーバー(固定):80Hz / 24db PER OCTAVE SLOPE (4th order Linkwitz-Riley)
(可変);55Hz - 125Hz
何故か高崎のハードオフで出品があり、発見即日に現地に行き、買い付けました。
4.実測
4.1ニアフィールド測定
4.2 周波数特性
いやビックリするほど下まで出てますね。
±5dBの範疇に10~120Hzになってます。
・歪特性
メインシステムほどではありませんが、それでもかなり歪みは低いですね。
立派です。
ただ何故こんなにこのサイズでMFBなどを使用せずに、15Hzまでフラットに出来るのかが分かりません。
ですのでもう分解して、とことん解析しましょう。
5.分解&解析
5.1 ウーファーユニット
ウーファーユニットはキャンセリングマグネット搭載の、ウーファーユニットとしては、ごくごく普通のユニットです。
それでも尚下位モデルよりかは、かなり立派なダイキャストと磁石です。
因みに日本製でした。
5.2 アンプモジュール
アンプモジュールは背面に付いています。
トランジスタは吸音材と接触しないように、シールドされています。
意外なことに、アンプ部分専用のチャンバーは設けてなく、振動対策などあまりされていないです。
トランスとフィルターコンデンサは別途下部に設置してありました。
トランス/コンデンサ共に非常に容量大きいです。
5.3 T/S Parameters
今回は真面目に45gの重りでの質量付加方でT/Sパラメータを撮りました。
その結果がこちら↓
Fs = 49.5Hzと、4の項で測定したニアフィールド特性を叩き出したウーファーのユニットとは思えません。
にしてもVasがこの手のユニットにしては、かなり小さい気がします。
これも小容量エンクロージャーに入れることを念頭に置いた故のデザインでしょう。
5.4 箱に入れた状態での最低共振周波数(fc)
今回は内部配線を(どうせ売るつもりもないですし)ぶった切って、箱の外に配線を出し、実際にエンクロージャーに入れた状態で、最低共振周波数がどこにあるのかを測定しました。
その結果がこちら↓
fc = 61.9Hzとやはり上昇してしまいました。
ただ思ってないほど上昇していないのは、吸音材がふんだんに入っているからでしょう。
もうそしたらアンプのEQで持ち上げてる他検討がつかないので、アンプの周波数特性を解析します。
とその前に、折角なのでIsobaric駆動もさせてみました。
Fc=47Hzなので、ユニット単体のFsとそこまで差がありません。
Cone to Coneの方が効率が良いとありましたが、M&Kの様なCone to Magnetでも機能するようです。
Isobaricの詳しくはこちら↓
5.5 アンプのスペクトル解析
今回はアンプの出力を、そのままI/Fに突っ込んで測定しました。
(事前にテスターでDC漏れや電圧を確認して測定しました、特にサブウーファーの出力電圧は大きいので、機材を壊す恐れがあるので真似はしないでください。)
Wavespectraで観測した10Hz~200Hzのデータを、10Hz単位の分解能でプロットしたものです。
やはり最低域まで出ている理由はアンプのEQが所以でした。
ただEQで補正しているサブウーファーは星の数あれど、何故M&Kがこのようなハイスピードになっているのかまでは判明しませんでした。
強いていうのであれば電源が非常に大型で、これがキレの良さに貢献しているのかもしれません。
実際メインシステムでアンプをAmcronのK2を1台から2台にした際も、段違いでレスポンスが良くなった経験があります。
6.聴感レビュー
まず思わされるのが何度も上述したように「とても反応が良い」という点です。
私自身サブウーファーもかなり使用してきましたが、このM&Kのプッシュプル構造のサブーファーの反応は頭一つ抜けています。
同じMPSシリーズのスピーカーが小型であるため、反応が良くないとサブウーファーだけ目立ってしまうんですかね。
このMPSシリーズは非常に入手困難なモデルになるため、現在のX12が個人的にはオススメです。(ユニットも強そうです)
こちらもTHX認証のモデルとなります。
7.まとめ
日本で知名度は皆無と言っても過言ではないM&K Sound。
恐らく業界内の知名度もかなり低いと思いますが、実際に使用した身としては、何故ここまで浸透しないのかが不思議です。
私が勧めたオーディオマニアのお二方は、ずっと愛用されています。
国内ではタイムロードが輸入を完了させてしまったため、入手困難ではありますが、入手できるタイミングがあれば是非!!
低域厨である私が自信を持ってオススメできるサブウーファーです。
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